六花の約束

「うーん…」

「また、どうしたのですか」

「いや…。今日の凜姫様の見合い相手、どこかで見たことあるような気がしてな…」

気のせいであってほしい。

けど…もしかして…。

昨日の、あいつらの主の顔に、酷似していなかったか。

「…ちょっと、凜姫様の近くに行ってくる」

なんとなく、胸騒ぎがした。

凜たちがいるところの近くまできたら…。

凜の声が、した気がした。

俺の名を呼ぶ声が。

もう迷わなかった。

俺は凜たちがいる部屋に向かい…。

「どうなさいました、凜姫様!?」

嫌な予感がした。

凜の返事はない。

ならば、無礼を承知で部屋に入るしかない。

「凜姫様!?」

…そこで俺が見た光景は。

最低だった。

天城殿が、凜を組み敷いていた。

凜の胸元は大きく開いていて。

…それだけを見た瞬間。

血が…沸騰するかと思った。

「凜姫様!」

「ら…ん」

「ちっ」

真っ直ぐに、俺を見つめてくる、凜。