六花の約束

「…痛い…ですよね。男の剣を、もろに受けたんです。しかも、よくない体勢で。…痛むのは当たり前です」

普通に受けても、男と女だ。

力じゃ負けるに決まってる。

たとえ凜でも、女であることに変わりはない。

…本人はそう思ってないかもしれないけど。

俺にとっては、凜はずっと女の子だ。

「……痛い…」

くっそ…。

凜を、守れなかった…。

守るために…凜の元から離れたのに。

こんなんじゃ…一緒だ。

「…申し訳ありません。お守りすることが、できずに…」

ほんと、自分が情けない。

「蘭が悪いんじゃないから。あたしが、蘭の言うことを守らなかったから…。ごめん」

…凜が謝る必要なんて、本当はない。

だけど…俺はその言葉で救われてしまった。

…救われては、いけないのに…。

「では、帰りましょう。あいつらも、いないようですし」

「…うん」

その時、確かにあいつらはいなかった。

だけど…違う誰かが、俺たちを…いや、凜を見ていた…。

突き止めようと思ったけど。

凜を一人にするわけにはいかないと思って…何もしなかった。

まさかこの後…あんな事が起こるなんて…。

思いもしてなかった。