六花の約束

「凜姫様!?どうなさいました!」

「え…?」

何が、どうしたの、なんだろ…。

「…泣いていますよ」

「っ…」

泣いて…た?

「全て、言ってください。我慢しないでください。望みがあるのなら、叶えます」

蘭は、真剣な表情でそう言った。

望み…。

「蘭…抱きしめて…」

蘭の、近くにいたい。

蘭を、もっと知りたい。

蘭は、何も言わずに、ただ抱きしめてくれた。

「蘭…あたし…苦しいよぉ…こわいよ…」

「大丈夫です、私があなたを守りますから」

何があっても、と付け加える。

そうじゃない。

あたしが苦しいのは、怖いのは…。

「蘭…昔みたいに…して…」

昔、あたしが泣くと蘭は、あたしを抱きしめて頭を撫でてくれた。

すごく、安心したんだ…。

「でも…髪を触ることになります。…男には、触られたくないのでしょう?」

「なんで…知って…?」

「すみません。聞いてしまったのです、城にいたときに」

…聞かれて…たんだ…。

でも、あれは。

「蘭の、ことだよ…」