六花の約束

蘭があたしをじっと見つめた。

とても、切なそうな瞳で。

「な…に」

「いいえ」

やっぱり悲しそうに微笑む。

何…?

なんか、隠されてる…?

それを知りたくて、口を開こうとした。

けど、先に蘭が話し始めた。

「凜姫様は、幸せですか?」

あたしを見つめたまま、そんなことを聞く。

「どうしたの、急に。……幸せ…かな」

分からない。

幸せか、なんて。

人より恵まれていると思う。

大切にされていると思う。

全てを許されていると思う。

…それなのに、幸せだとはっきり言えないなんて。

人は、贅沢だと言うのだろうか。

でも…あたしは。

あたしの幸せは。

…蘭と一緒にいることなんだよ…。

それができなければ。

蘭が、約束を思い出してくれないのなら。

蘭が、あたしを拒絶するのなら。

あたしは、たとえどんなに恵まれていようとも。

……本当に幸せだとは、言えないだろう。

それほど、あたしにとって蘭は…。

大きい、大切な存在なんだよ?