六花の約束

「一本!勝者、九条蘭之介!」

「おお~!」

始まって十もたたないうちに、終わった。

さすが、蘭。

天城はのびてるし…情けない。

「凜姫様、行きましょう」

「は?どこに」

あたしの問いには答えずに。

「殿、凜姫様をお借りします」

蘭はひょいっとあたしをお姫様抱っこをして、父上に断った。

父上は…おもしろそうに笑いながら、了承した。

「蘭?どこ行くの?ていうか下ろしてっ」

恥ずかしいよ~。

「…嫌です。凜姫様、まだ震えてますし」

「え?あたし、震えてる?」

うそ…。

自分でも気づかなかった…。

「やっぱり、無自覚ですか。まあ、いいです」

…何がいいんだ。

つっこみたいけど、我慢した。

着いた場所は…。

聖域…。

「なんで…」

「なんとなくですけど、凜姫様の一番落ち着く場所かな、と」

蘭はそう言いながら、あたしを下ろした。

綺麗な緑。

水は蒼い。

すごく綺麗な場所。

蘭の意見は、当たっている。

…嫌なことがあったら、いつもここに来ていた。

なんとなく…蘭に一番近い場所のような気がして。

そんなこと、絶対言えないけど。