六花の約束

父上はあたしたちの状況を見るなり、

「天城殿。少し話そうか」

と、どす黒い笑みをして天城を見る。

「…ちっ…」

天城は舌打ちをしつつ、父上には逆らえずに大人しくついていった。

「…お待ちください、父上。あたし、その人と試合します」

許せなかった。

美奈子を傷つけたこと。

そう思って言ったのに。

「…いいえ、私が、やります」

蘭が怖い顔をして天城を見ながら言った。

…蘭…。

父上はおもしろそうにして。

「いいだろう」

とだけ言った。

「…凜、すまなかった」

そうあたしに言って、父上は去っていった。

……終わった…。

そう思った瞬間。

━ぐらっ。

あたしは立っていられなくて、尻餅をついてしまった。

「凜姫!?大丈夫ですか!?」

蘭が焦った顔をして、駆け寄ってくる。

「…へいき…」

怖かった…。

殺されるって思った…。

「ら…ごめ…」

「何を謝るのですか。姫は何も悪くありません」

「だっ…て…」

謝ることしか、出来ないから。

蘭に、恥をかかせるところだった。

…助けてくれて、嬉しいのに、蘭が傷ついたと思うと…。

蘭を呼んじゃいけなかったのかなって思う。

…蘭…ごめん。