六花の約束

思い通りに、遊ばれてるのか。

いらつく。

怖い。

気持ち悪い。

早く、逃げたい。

けど、女のあたしが男の力にかなうはずなくて。

「やっと、観念した?」

にやにやしながら、あたしの唇に、自分のを近づけてきた。

━━刹那。

「…蘭っ」

もう耐えられなくて。

あたしは、聞こえるはずのない人の名を呼んだ。

お願い、蘭。

助けて…。

「…来るはずないよ、誰も」

…分かってる。

けど、なにもしないのは嫌だったんだ…。

蘭…ごめん…。

あたし、約束、破んなきゃいけないみたい…。

蘭…。

ごめんなさい…。

覚悟を決めて、目を閉じた。

その時。

「どうなさいました、凜姫様!?」

…愛しい、大好きな人の…声がして。

来てくれた…。

きてくれた。

「凜姫様!?」