六花の約束

「凜。天城殿が見えたぞ」

「…はい」

はぁ~。

いよいよ、面倒な見合いが始まる…。

憂鬱すぎて…なんか、もうどうでもいいような…。

どうせ、今日は怪我してるから試合はできないし。

どうせ、あたしが惚れるわけないんだし。

…面倒の一言につきる…。

「失礼いたします、天城圭介です」

「どうぞ」

天城さんが、きた。

…嫌だー!

逃げたい…。

入ってきた男は…。

平凡な容姿で、これといって特徴のない人。

失礼か、こう言ったら。

「…お初お目にかかります、凜と申します」

適当に、決められたような言葉を言う。

「天城圭介です」

あたしと、目があう。

その瞬間、にやっと笑われた。

…え?

背筋に悪寒が走る。

どこかで…見た?

それより、この人…やばい。

危ない気がする。

「では、ここからはお二人で」

いつものように、父上が出て行こうとする。

いつのなら、別に出て行くことを止めはしない。

けど、今回は…。

「…っ…お待ちください、父上」

二人に、なりたくない。

怖い、この人が。

そんな思いで父上を見たのに。

「…いつものことだろう?」

そういって、父上は出て行ってしまった…。