ない。

そう答えようとしたとき。

蘭に、手首をつかまれた。

「…っ…」

「…痛い…ですよね。男の剣を、もろに受けたんです。しかも、よくない体勢で。…痛むのは当たり前です」

「……痛い…」

骨は折れてないと思うけど…。

痛い。

久しぶりかも、怪我するの。

「…申し訳ありません。お守りすることが、できずに…」

「蘭が悪いんじゃないから。あたしが、蘭の言うことを守らなかったから…。ごめん」

蘭は悪くないのに、謝られると辛い…。

「では、帰りましょう。あいつらも、いないようですし」

「…うん」

あたしは、これで終わったと思ってた。

それは、きっと蘭も。

だけど、すぐにあいつらと会うことになろうなんて…。