六花の約束

あたしは剣を外して、美奈子を見る。

「美奈子」

「ふぇっ…り…ん、ひ…」

必死に涙をこらえる美奈子の姿を見たくなくて、あたしは美奈子を抱きしめた。

「怖かったね。ごめんね、すぐ来られなくて」

美奈子は、安心したのか大声で泣き出した。

「美奈子!」

母親がきた。

「おかあさん~!」

母親に抱きついて、泣く。

よかった…無事で…。

「ありがとうございました!本当に…」

「母親まで泣いてどうするの。…ほら、もう行きな」

母親は、何度も頭を下げていった。

「…凜姫様」

「蘭…」

…怒ってる。

あたしが、蘭との約束を破ったから。

「蘭…ごめん…」

怒られるのを覚悟して、謝った。

なのに、怒鳴る声は聞こえなくて。

かわりに聞こえたのは、盛大なため息。

「…蘭?」

怖くて下げていた顔を、恐る恐るあげる。

蘭と、目があう。

「凜姫様。どうか、もうこのようなことは…」

本当につらそうに言われる。

…そんな顔しないで。

あたし、期待しちゃうから。

蘭が、あたしを大切に思ってくれてる…なんて。

だから、そんな思わせぶりなこと…しないで。

「本気で焦りました…。お怪我は、ないですか?」

「怪我は…」

ない、と思うけど。