六花の約束

城下町。

いつも通り、すごくにぎわっている…と、思ったのに。

なぜか、重い緊張が漂っていた。

…何かあったのか?

こっそり蘭を見ると、同じことを考えていたみたいで、顔をしかめている。

…近くにいる人に聞いてみるか。

「何事だ。詳しく説明してくれ」

あたしはおばあさんに話しかけた。

「凜姫様!子供が…子供が…!」

あたしを見て、泣きそうに訴える。

なにがなんだか…。

「とりあえず、何があった。詳しく説明して?」

あたしはおばあさんを落ち着かせて、話を聞いた。

「いきなり、お偉そうなお方がお見えになって…。部下の人が、目の前に出てきた子供を…」

「!斬ったのか!?」

「いいえ、いいえ。ただ、今も均衡状態で…」

…ちっ。

誰だ、父上の領地を荒らすのは。

…この上ない、無礼者だ。

「…蘭、行くぞ」

「凜姫様は、ここにいて下さい」

「なんで!」

子供が巻き込まれてるんだ、助けないと!

「…戦闘になるかもしれないのですよ」

「だから何!?あたしだって、戦える!」

そのくらいの、覚悟はある。

「…人を、斬るかもしれないんです。そんなことを、凜姫様にやらせるわけにはいかない…!」

真剣な表情で言われる。

蘭が、震えている。 

…なんで…。

とりあえず、蘭を説得しなきゃ。

「蘭。あたしなら、大丈夫だから。…誰かを守るためなら…」

あたしのおかげで、助かる人が、いるのなら。

何も、迷うことなんて、ない。