六花の約束

津田様が帰ったあと。

「蘭っ!教えて!」

にこにこ顔の凜がきた。

その笑顔は津田様がつくったのかと思うと、辛くて。

「あ…はい」

ついつい、そっけなくなってしまう。

稽古中も。

「…らん…蘭っ」

「あ…はい、ここは…」

ぼーっとしていて、凜の話しを聞いていなかった。

…もう、終わってほしい…。

凜と一緒にいたいのに、一緒をいるのが辛い。

伝えてはいけないのに、伝えてしまいたい。

…自分自身にいらいらする。

想い通りに動きたい…。

ようやく稽古が終わって、すぐ離れようと思ったのに。

「蘭。話しがあるんだけど」

凜が、俺を呼び止めた。

…話したく、ない。

どうせ、津田様と結婚するとか、そういう話しだろう?

そんなこと…聞きたくないよ…。

でも、主である凜の話しを聞かないわけにはいかなくて。

「……いいですけど…」

しぶしぶ、了解した。

嫌だ、嫌だ。

凜に嘘をついている自分が嫌。

凜の幸せを願ってるのに、俺は…。