六花の約束

その日。

日が暮れるまで凜と津田様が話していたので、津田様は海瀬城にとまることになった。

…すごく話してたよな…。

凜のあんな楽しそうな顔、久しぶりにみた。

見合いであんな顔するのも、珍しいらしい。

…結婚、するのかな?

すればいい。

あんなに楽しそうにしてたんだ。

…これを逃したら、もう凜が惚れる男なんていないと思う。

あ…忘れてた。

髪を守ってくれた人がいたな、そういえば…。

誰なんだろう?

俺、小さいころは凜と一緒にいたけど…そんなこと、あったっけ?

覚えてないから、きっと俺が江戸に行ってからのことなんだろう。

…どんな人かな?

凜があれだけ髪を触られるのを嫌がるなんて。

…そうとう想われてるよな~。

津田様と、どっちを選ぶんだろう?

……どっちも選んでほしくはないけど。

はぁ~。

もし凜が結婚したら、俺、どうすればいいんだろう?

いや、凜の幸せが第一だから、俺なんてどうでもいいんだけど。

でも…やっぱり、結婚しなきゃだめかな~…。

九条の家を俺で終わらせるわけにはいかないだろう…。

ただ、結婚することになっても、結婚しても、俺は相手を愛せないだろう…。

だったら、やっぱり結婚なんてしないほうが、誰も傷つけないんじゃ…。

なーんて、な。

結局、俺は凜以外を愛せないんだな。

…情けない男…。