あの夏の君へ






「ごめん…」

ただそれだけを言い、俯いた。

「好きな人いるんやろ…?」

「…いいひん…!!」

「荻の事好きなんやろ?」

「好きちゃうよ…」

新井田は私の腕をギュッと掴んだ。

「何で正直にならへんの?」

その力が強さを増していく。

涙が一筋流れ落ちた。

「何で嘘つくん?何で隠すん?何で自分に正直にならへんの?」

彼の怒りが言葉として現れた。

私が一番、聞きたくなかった言葉。

私が一番、答えを出したくなかった言葉だった。