あの夏の君へ






リモコンで巻き戻している間、電話から聞こえてきた荻の一言に反応した。

『外暗いし、駅まで迎えに行くわ』

「えっ!?」

『七時やな。ドラッグストアん所で待ってるしな』

「えっ!家の近くまでくるん!?」

『やってお前の家の近く物騒やんけ。暗いし、治安悪そうやし』

まぁ…確かに治安は悪いけど。

電灯少ないし、襲われてる人も結構いるって聞くし…。

「でも良い良い!!今から行くし!こやんといてな!?じゃぁ、ばいばーい」

『ちょ、おい。待ってや…』

また一方的に電話を切った。

荻がわざわざこっちに来たら、往復することになるやん。

無駄にお金払うことになるやん。

それは絶対に避けたかった。