あの夏の君へ






荻の少し怒った声がしたけど、それほど気にしなかった。

いつものことやし。

『遅いって、お前…』

「ごめんって!!あははは!!」

『お前、お笑いのテレビ見てる?』

「見てる見てる!!」

『それ、今やってるっけ?』

「違うで。昨日のやつ」

『え!!それ、ちょーおもろい!!』

電話越しにさっきまでイライラしていた荻のテンションが一気に上がったのが分かった。

「やんな!?見てたら止まらんくなって…ごめんな」

『俺も見たい!』

「良いで。焼いて後で持ってったげるな」

『早よ来いよ』

「はいはい」

『何時くらいにくる?』

「七時くらい?」

『おっそ!!』

あーもう。

面白い所、見逃したやん。