あの夏の君へ








午後、七時五十分。

彼は現れない。

来ない。


“待たせてごめん”


なんて言ってくれない。




何度も何度も着信履歴があった。

メールも。






荻の名前はひとつとしてなかった。


不安は確かなモノへと変化していく。


怖くなって、家に入ってテレビをつけた。