最近は授業にも殆ど出ていない。

一年生の年度末試験が間もなく迫ってきたが、勉強どころか出席日数不足で受験資格すら失っている科目ばかりだ。

でも今はそんな事より紗耶香である。

尚人にとって紗耶香はまさに麻薬そのものだった。

彼女の肌に触れたい、髪に触りたい、声を聞きたいという欲求は一時も休まる事がない。

尚人は自分の精神状態が不安で堪らなくなってきた。