「じゃあな」 「うん…ばいばい」 あたしがドアをパタンと閉じると 陸の足音が遠ざかって行った。 少しだけ、かかとを擦って歩くような。 だけどダラダラなんて 歩いてない、そんな音。 だから顔なんて見なくたって 陸が来たってわかる…。 「ただいまー」 リビングから『物騒ね〜…』 なんて言葉が聞こえてきた。 多分、お母さんが 夕方のニュースでも見てるんだろうな。 その声をスルーして自分の部屋に入った。 あたしはベッドに座って ケータイを握りしめる。