──キーンコーンカーンコーン ガラッと音がしてチャイムと 同時に入ってきたのは。 「杏っ!」 チャイムが鳴ったからもう席に つかなきゃいけない…。 あたしは座ったまま、杏を見た。 一瞬…、ほんとに一瞬だけ 杏と目が合った気がしたけど フイッと反らされてしまった。 「よかったな、間宮来て」 「…うん」 隣の陸はあたしの頭にポンっと 手を乗せた。