「お揃い、と言うわりには、あなたの名前が書かれてますがね」
「ペアルック」
「そうですか……」
まったく同じではないのはよくよく見て知った。
青薔薇のツタに絡まる文字。カルツの腕には『ミナナ』。そうして、このカードには『カルツ』。
ペアルックとはまたよく出来た言葉だ。同じのようであっても、恋人たちの愛する証が入っている。
「ああ、いえ、ペアルックって。そもそもこれ、カードじゃないですか」
彼にカードを返しながら、ペアルック以前の問題だと言った。
彼はミナナを思って、証としてああしてタトゥーを彫ったが、ミナナは体にタトゥーを刻む気はない。彼一人で勝手にしてくれと言いたいが、それで同じ柄のカードを出すとは何事か。


