彼のおかげでかなり水気はなくなったしいいかと、ミナナは横になろうとするも。
「そういえば、いいものがどうのとか言っていませんでしたか」
最初はそんな話題があっただろうと、上体あげたまま聞けば、彼とて忘れていたか『そうだった』と壁フックにかけた自前のコートのポケットから白い台紙を出してきた。
「カード……?」
柄つきのカード。
青薔薇に名前入りと、どこかで見たデザインだなぁと思って。
「俺とお揃いだよ」
思い出した。
色や形、デザイン全てが、彼の腕に彫られたタトゥーと瓜二つ。
今は服を着ているからまったく同じとは断定できないが、彼が“お揃い”と言うからにはそうなのだろう。


