高揚による絶叫と共に、冬月が秋月に包丁を振るった。
剣術の腕は秋月が上だが、まさか冬月に斬りつけられると思わなかった秋月の反応が遅れた。
包丁の犠牲となったのは左肩。切り傷にせよ、血がどろりと舌みたく垂れた。
「なっ、冬月!」
「でも兄さんの愛は僕と違う。僕は兄さんを、こんなに、こんなにもっ、愛しているのに!兄さんはなんで愛してくれないの!双子としての好きじゃダメなんだ!足りないっ、足りないよっ!
ああ、兄さん。兄さん兄さん兄さんっ、答えてよっ、答えてっ。長年ずっと言わずに耐えてきたんだ!想い続けてきた僕の気持ちを受け取ってよ!」


