「それでこそ、人間とは利口だ。生きているだけでも素晴らしいのに、なかなか死なないのだからやはり素晴らしい。そんな人間を私は愛してやまない。いいや、愛して病むほどだ――と言ったら、アレには『言うだけなら誰でも言える』とやはり私はヤンデレじゃないと言われたわけだが。
君の見立て通り、私はヤンデレ=最上愛の形と式を組み立てた。つまりは、私の人間へのヤンデレぶりを否定されるということは、私からの愛がまるで偽物と言われたようなものじゃないか。
実に心外だった、とても心外だ。私以上に“人間みんなを愛している者”はいないと、私は胸を張って言えるのにだ」
「それが、ダメなんじゃないのか。私もヤンデレとやらを聞きかじった程度だが、あれはある特定の人物にだけ過剰な愛情を持つ者への俗称だろう。“人間みんな”だなんて不特定多数ならば、ヤンデレとは程遠い気がするがな」


