「その『ごっこ』が無意味なのよ。ままごとで楽しむ歳じゃないでしょうし。……まあ、あの駄犬のことだから本気なんだろうけど」
「だね。彼は私の言うことをぜーんぶ信じちゃうから。『ごっこ』じゃないだろうね、彼は。彼の望む私でいるって言ったけど、もしかしたら私が望む彼になっているのかなぁ。――って、彼が私の望まないことはしたことないか。
最初は彼に好まれるように、片時も離れないでと、“丁度いいところにあった病気”を使わせてもらったけど、うん、本当に効果抜群。
立つだけで目眩、食べたら吐いて、走ったら呼吸困難で、生きていくには不適切な体をずぅっと疎んでいたけど、全部許せるほどに“役に立ってくれた”。
ただでさえ彼は私を好きでいてくれるのに、助けたい気持ちからより過保護になっちゃってさぁ。
ああもう、本当に、愛する人が心配してくれるだけでも幸せなのに、あんなに、私以外のことなんか考えられないほどに思ってくれるだなんて」


