ついぞ、言えなかったのはやはり当の人が“そうしたい”と努力していたから。
そのひた向きさに、水差す真似なんかできず、Aにできることと言えば、友達としていることのみ。
「……、だから、残念よね」
俯き加減の一言は、朱耶に対してと自分に対しても当てはまる言葉だった。
朱耶がやりたいことを当たり前にできないのが残念で、そんな朱耶に自分は何も助けてやれず見ているだけの残酷な人だと――責めたいのはA自身だった。
「誰も悪くないよ。それに、残念すぎるって話でもないし」
Aの呟きを聞き逃さなかった朱耶はあえて笑った。――当たり前のように。
「まだ高校をどうするかは、はっきりと決めていないけど――私には彼がいるから平気なんだぁ」


