体の限界。
死に際の瀬戸際。
それでも、当たり前でありたいと無理した去年。
ここで諦めれば去年が無意味となるが、『留年』という結果を残したのであれば、もう頑張りたくもなくなるだろう。
それでも頑張れと人は言うかもしれないが、Aはその言葉が嫌いだった。
犬に喋れと無理強いをしているようなもの、情熱と熱意だけで物事が上手く進むだなんてないし。極端な話、『頑張れ』だなんて誰かを自分の思い通りにさせる命令文に思えたのだ。
応援しているのだからやり遂げろ、まだまだお前は頑張れるはずだと、“その人ではない人”が分かったように口を出すことがAは嫌だった。
何よりも、朱耶の頑張りぶりは、『もう頑張らないで』と言いたくなるほどのもの。


