彼女を愛する分、その悲しみを共有しつつ、俺は頭で彼女を貶めた奴らを処刑した。


首切り、火あぶり、絞首刑。沈めて、えぐって、詰め込んで。


しかし足りない。
何をやっても報われないし、救われない。彼女が持つ苦しみとはこの程度のことで消化などできないし、これは所詮、空想だ。


殺したい憎悪がある。どうやって殺すかでさえ、頭でイメージできているんだ。


――ならば、やることは決まっている。


彼女を守らなければ。

魔の手から、卑しい目から、貶す口から。


泣かないでほしいんだ、もう。それには彼女の涙の原因たる奴らを処分しなければ。