アタリ付きアイスの棒でそこまで考えるかと言いたいが、当人にとっては切実な問題なのだろう。
恥ずかしくて言えない、人間ならば誰しもある恥じらい。
体裁、世間体、人の目を気にして生きるとは至極まっとうで、それにより人間は他人に縛られる。
もう一本食べたい、そんな小さな願いまでも『他人の目』という言葉で玉砕されてしまうわけだが。
「あ、なら、私が行ってきますよ」
世の中にはあっけらかんと事も無げに、他人の目を気にしないタイプもいるものだった。
「お、お嬢様……、そんな、アイスのアタリごときで外に出るなどと……!」
他人の目よりも、他人のバイ菌な十束が黙っていられるはずもなかった。


