「途中、聞き捨てならないことがあったぞ……」
裏拳を鼻筋にぶちかます奴に、花が魅了されるわけないと十束は付け足すが、Aにとってはどこ吹く風のようだ。
「これが大変なことなのよぅ。要は、言いに行くのが恥ずかしいってだけの話なんだけどね。この問題で、かなりの人がガリガリ君のアタリ棒を捨てると私は思うのよ。
アイス一本ぐらいでせこい、とか自身に言い聞かせているんだわ、きっと。でもね、このアタリは無駄にしたくないじゃない。
私が選んだアイスは特別だったのよ。安くて美味しいだけで満足なのに、更にそれをもう一本、しかもタダで味わえる特別な権利を私は持っているの。
それを捨てるだなんて、私にはできないわ。でも、ずっと保管しているのも、このアタリ付きアイスの棒に失礼な話。
このアタリは、もう一本と交換されなきゃ、ハズレ棒と代わりないのよ」


