ふーふーすべく、近づいてきた十束を裏拳で黙らせ、「そういえばぁ」とAはビニール袋からアイスの棒を取り出した。
「大変なのよぅ、朱耶ちゃん」
当初来た目的はそれだったと、Aがアイスの棒をちらつかせた。
「ガリガリ君のリッチ味なんてあったから買ってみたんだけど、なんとアタリだったのよねぇ」
「すごいじゃないですか。一回でアタリだなんて凄い強運ですね」
「ええ、それもそれで『大変なこと』なんだけどねぇ。アタリ棒が出たら、もう一本じゃない?」
「そうですね。私は小さいとき、ブタメンのアタリを持って、駄菓子屋さんで一個もらいましたよ」
「そう、そこなのよぅ。買った場所でアタリのもう一本を貰えるわけだけどね、これを買ったのはスーパーなのよぅ」


