「十束がそう言うならば、そうしたいですが。せめて高校は卒業したいですね。できれば、大学にも行きたいのですが」
言いながらも無理な話かと朱耶は思う。
何せ、体が弱く立っただけでも立ちくらみをするような虚弱体質。もともと高校にはあまり顔を出せないと入学前から思っていたが、単位だけはきっちり最低限取ろうと思った矢先、倒れて半年も入院した。
そのせいで留年した朱耶は今年、二回目の一年生を迎える。
迎えたとしても、体調が良くなることなんてない。そんな自分がみんなと同じく高校を卒業できると自信満々に言えなかった。


