「あなたは、私が……」
止める、と言いかけて、イリイアの意識は途切れた。
詰めが甘く、無意味な結果であり、落第点たる幕閉じ。三文芝居もいいとこのあまりの不憫さに。
「素晴らしいよ、イリイア」
スプガウスは手を叩いた。三回、拍手たる手は少なく、しばらくは饒舌に誉め称えても良かったが。
「そうすれば、君は死ぬからな」
うつ伏せになるイリイアの頭に爪先がつくかつかないかの距離まで詰める。
動かないのを見るなり、スプガウスは持っていたロンギヌスでイリイアの肩を刺した。
ずぶりと、めり込ませて、細胞全てを貫くように。


