それでも粗末な藁をつまむように、何とか意識を保てていたのはまだスプガウスが立っていたからだ。


今の光は攻撃ではない。


蛇を消し去ってみせたが、事実を言えば、あれはイリイアなりの思いやりの形。


死んでもまだ動かされた蛇(体)に、死んだ後も呼び戻された人(命)。


イリイアにはそれらが、『助けて』と言っているように聞こえた。


ただの思い込みや幻聴にせよ、放っておけるわけもなく、犠牲者をまた殺すだなんてできなかった。


故の光。
浄化の灯火で、安らかなる死を。


蘇生する源も、蘇生させる器もなければ、あの悲劇は繰り返されない。また一から揃えて蘇生させようならば、その前に――