ヤンデレパーティー



イリイアの足が一歩下がる。運悪くかかとが蛇の体を踏むわけだが、かかとから一気に頭まで来るような気味悪さを覚えた。


でろりと垂れる中身に、飛び出す音。芋虫ほどに柔らかく、トマトほどに豪快に潰れた。


足をどけても、何のことはないように動く蛇。切り離されたトカゲの尻尾みたいだ、あり得ないのに生きている。


どの蛇もイリイアが踏む前から“死んでいた”。死んで、いた。のだ、胴体が引きちぎられても、頭が潰れても、どんな死に体であっても蛇は動く。


リビングデッドとは主に人間に使われるが、よもや蛇まで蘇生できるとは。


「イリイア、悲鳴ではなく、命乞いを勧めよう。僕は寛大だ、君をまた友として迎えるつもりだからね。

だが、何も言わないならば、このまま行かせてもらう。生かすにも価値があるし、殺すにも価値があるのだよ、君は」