――いったいどこから。
何よりも発達した耳で捉えられなかった存在。いくら蛇に足がないからと言っても、息づかいだけで分かるようなものなのに。
尋常ではない数。
はっきりとは分からないが、百匹はいるであろう群れが辺りに――
「100……」
その数に、あることを思い出した。
百匹と確実に数えたわけではない。百匹に近いのだ。そこで関連付ける事柄があった。
「まさか、この蛇は……!」
「ご明察だ、イリイア。人間――98人の命を入れた蘇生した蛇だよ。君には姿形が捉えられないかも知れないが、ああ、あるいはそちらの方が良かったのかもしれない。
腐乱した蛇など見るからに気分良いものじゃないだろうからね」


