「では、何に使うんですか」
「俺が見ていない時に彼女が誰かに誘拐されないためにする保険。二人っきりになるまで不安だからね、何かに繋げておけば誰にも彼女を“連れ出せない”。そうして、彼女を連れだそうとする虫けらは俺がすぐさま潰して、はい、おしまい」
「また結構なことで……」
調教師にしてみれば、手錠は対象者が逃げないための鎖だが、クルキにとっては守るためのリードか。
確かに、手錠の片方を家具にでも何でもに繋げて、もう片方を彼女に繋げば、彼女を誘拐しようと言う輩は“連れていけない”だろう。
もっとも、そんな輩がいればの話だが。


