ヤンデレパーティー



世界使いとは、確かに安直で分かりやすい。そこにあったから使った程度のことならば、大げさな動きは要らないだろう。


「あなたが私を誘う理由というのは、つまり……」


「僕の代役を頼みたかった。“世界の守護者”として、その力を使ってほしかったのだよ。

なに、僕も丸っきり投げ出すわけではない。時折でいい、ただこの時折が肝心なんだ。何もかもを投げ出すほど、ひたすらに没頭するほど、無我夢中で神経が擦りきれるほど、僕にはやらなきゃいけないことがある」


スプガウスが僅かに右腕をあげた。小声というよりは、呟きか。


【sugnoL】(死を貫く聖槍)


声に呼応したのは一本の槍。


詠唱あとの武器だ、何らかの神秘術要素を秘めていようが――いかんせん、汚すぎた。