ヤンデレパーティー



イリイアとて戦闘経験から、スプガウスが何らかの防御手段を用いるとは予測していた。


ただしそれが“速すぎた”となれば、頭にあった迎撃手段も無意味となる。


スプガウスの弾きは、防御からの攻撃に繋がり、見事でいて即刻たる連携を産み出した。その間に何か対策しようなどと、思う前に事は終わってしまう。


何かをする、という助動作がイリイアには見えないのだからなおのこと。――いや、腕をあげた足を動かした程度なら音で捉えられるが、今回の場合、スプガウスは何もしていない。


動きも、詠唱さえも、『何かする』というアクションが一つもなかった。


それがどれだけ恐ろしいことか。剣を振り上げずとも、相手を斬れるような虚構の一手。


降り注ぐ長椅子の下敷きになると見えないながら感じ取るイリイアだが――