背けられるはずもない、生きているとは現実に在るということなのだ。
それでも人は夢を見たがり、救われたがる。実際、宗教の象徴とは神でも悪魔でも、“人に夢を見させてくれるモノ”なら何でも良かった。
現実と夢の狭間をあやふやにした精神など狂っているとしか言いようがないが――スプガウスが洗脳されているとは思えなかった。
洗脳には先導者がいる。脳の認識(常識)を書き換えるような人物が必要だが、司教たるスプガウスは“神との距離感”が分かっているはずだ。
『神は見守ってくださる。しかして我らは神に触れてはならない』
そんな初歩の教えが分からないスプガウスではないし、近づきすぎては人間として終わってしまうとも理解しているはずだ。


