あれだけ願い、あれだけ祈り、あれだけ――“愛してあげたのに”。
「どうして、神は私を裏切ったんだ」
「……」
「本当におかしいよ。神は一度たりとも約束なんてしていないのにだ、人は思い込む、『愛すれば愛される』と。愛されてきっと救われると、人はよく神頼みとやらをする。
その時だけ祈り、神を愛してあげるんだ。救われたいから、救ってほしいから。そうして最後には救われなかったと神に唾でも吐くだろう。
人間とはそう言うものだ。そんな自分勝手な生き物を神が愛するわけがない。愛が分かってない――いいや、人間にとって神とは“恋愛対象”にはならないのだよ」
「恋愛、対象……。っ、神をそのような目で見るなどと……!」


