ヤンデレパーティー



「スプガウス、なぜ神を裏切ったのですか」


対面して、最後まで粘った否定が壊された。


悲しさもあったのかもしれない。指先が震える。それでも女は毅然とした態度でいた。


「神を裏切った?おかしなことを言う。裏切ったとしたら君たちのこと。だが、これも正しくはないか。もともと僕は、君たち――人間の味方などした覚えはないのだから」


「人間の、味方……」


「先の話を蒸し返すが。君たちカトリックとは人間に遣える者だ。神の教えがあっても、一番に守るべきは法。人間が作った法を君たちは重視し遵守する。神の意思などそっちのけで」


「その法は神の教えに基づいた、善行を育み、悪行を排除するものです。法とは人々の幸せを願う慈愛溢れる我らが神の意思そのもの。決して、人間の傲慢によって産まれたわけではありません」