言いながら、ミナナが右腕を出した。胸元はきっちりガードでも、色っぽい艶やかさがある。
むき出しの鎖骨、見えるか見えないかの胸元。シャワーを浴びたばかりからか若干潤って、生乾きの髪がひたりと肩から流れている。
「変なこと考えましたね、絶対」
「ミナナを愛でていいのは俺だけだから、その色気に見惚れるのは当然のこと。――ま、でも、ミナナの気持ちが大事なのは変わりない。これから触るけど、我慢できなくなったら言ってよ。満足させてあげるから」
「すっごい言いたくなくなった」
俄然とつくほどに。
口を紡いで、あとは彼に任せた。
柄上に貼られたフィルムを剥がすなり、彼は台紙ごとミナナの右腕に柄をあてがった。
表は色鮮やかにせよ、裏は黒色。肌にあてがうは色がある面だ。


