「貼ります」
「いいの?」
「無駄にはできませんよ」
「ミナナ……。そうか、俺の気持ちを無駄にしたくないからって。ゴミ箱を漁ってまで取り出して、俺の気持ちを体に刻んでくれるんだね。ああ、ミナナ、なんて健気で愛しいんだ!」
「そういうことにしときますから、貼ってくださいよ……」
ミナナにとっての無駄にしたくないとはあえて言うまい。
何も知らないからこそ彼はわくわくとガーゼと水入りコップを用意した。
「さあミナナ、脱いで。できれば全部」
「腕に貼るんですよね……」
「外側に互いを刻んだ記念に、内側からもまた一つに繋がりた――」
「下らない思考しているなら貼りませんからね」


