「私が構いますっ!」
なに綺麗にまとめてんのっ、とまでは出さないものの――いや、出す前にミナナはゴミ箱行きのシールを取り出した。
幸い、入っていたのは紙やらティッシュ。衛生的にはギリギリセーフか、台紙にも汚れ一つついておらず。
「良かった。28万、無事だ……!」
「ただのシールだけどね」
シールが金に見えているみたいだった。
「ミナナ、取り出したってことは貼ってくれるの?」
「いや、ええと……」
もったいない精神が働いただけのことに実用化精神はなく、ただ取っておきたいにしても、何せ値段が高い。
使わなきゃいけないなんて強迫観念まで出てくるほどだ。高価と分かったせいか、青薔薇がいっそう輝いて見える。


