やけにあっさりし過ぎているが、彼とてミナナ自身がいれば他は簡単に捨てられるのだろう。
奇しくもミナナと同じように。彼もミナナしか欲しがらず、そのミナナが要らないならば自分とて要らない。下らないものなんだ。
「ミナナ、埋め合わせするよ。欲しいものある――って、ミナナは俺しか欲しがらないか」
ミナナの隣に座る彼。ぎしりとベッドの軋みと共に、抱きつかれた。
「だから、今日はやりませんって」
「添い寝」
「で済みますか、あなたは?」
「ミナナがねだらない限り、俺はそれ以上のことはしないよ」
「……」
メニュー