「まあ、あの時、ミナナは俺のイメージを『花を食べる蜘蛛』と言っていたから、考えはしたよ。俺はミナナのイメージを刻み、ミナナは俺のイメージを、ってね。
でもさぁ、蜘蛛は嫌でしょ。だって蜘蛛だよ?八本足でこそこそいやらしいあの害虫なんだよ?」
「あなたのそのセリフは自分の首を絞めているようなものですからね……」
“その蜘蛛”のイメージが彼なんだ。貶せば貶すほど、彼の悪評になってしまう。ついで、こそこそいやらしいはまだ頭に根付いているらしい。いや、不快感与えるモノとしては合っている表現にせよ。
――確かに、蜘蛛は嫌だな。
少なくとも体に刻みたいとは思わない。ミナナの趣味を知ってか、青薔薇の方に手を伸ばすだろうとあえての同じ。


