「……、新手の訪問販売?」
「さあ、ミナナ!俺とのペアルック――俺の名前が入ったこれを体に刻もうじゃないか!そして、夏になったら、いいや、季節関係なしにノースリーブで害悪どもに俺たちの愛を、刻まれた絆を見せつけようじゃないか!」
「落ち着け」
がっと近づいてくる彼にタオルを投げつければ止まった。
興奮しすぎたと自覚したらしく、ごめんごめんと軽く謝りながら、顔に張り付くタオルを机に置いた。
「で、結局何なんですか、それ」
「タトゥーシール」
「シール?」
再度見やれば、確かに半透明なフィルムが柄の上から貼られていた。台紙から剥がせるのかと、柄は模様じゃなくシールらしい。


