「………分かった。努力はする。」


でも、やっぱりすぐにはムリだから。


あたしにも意地ってものがあるし。


それでも努力はするから。


だから今度ここに来たら、ちゃんと手を合わせることにする。


「そろそろ帰るか?」


「……うん。」


大東龍………完全にノーマークだった。


ここまで鋭い奴だとは思わなかった。


……意外とあなどれないかも。


隙を見せたら全部見透かされてしまう……。


「………また連れてきてよね。」


あたしの10歩前を歩く背中に投げかける。


すると、黙って右手を上げた。


″分かった″……ってことなんだろうか。


お姉ちゃんが龍のどこを好きになったのかなんて知りたくもないし、興味すらないけど…。




ちょっとくらいなら……その瞳に見透かされてもいいかな。