ようこそゲストさん
「あーあ、今年も渡せなかったなぁ……」
あんなに一杯貰ってたんだもん。
私のなんか…いらないよね。
「ん!やっと見つけた!」
??
「探してたんだよ。お前のこと。ほらっ」
少し緊張しながらも
差し出された手に、自分の手を重ねた。
「違う!チョコだよチョーコ!!
なに?俺の無いのっ?」
少し意地悪な口調で話してきた彼に、またも緊張してしまう。
「…私のなんか、いらないでしょ?」
「は?なんで?」
「他の子に一杯貰ってたじゃん」
「あんなもん数に入らねーよっ
…あのなぁ、好きなやつに貰えないのに
他のやつに貰っても嬉しくないんだよっ」
「それって、、、」
彼は赤い顔で俯き黙っていた。
なので、私は
「はい!!どうぞ!本命、だから、ね」
そう言い残し屋上を去った。
(完)